ノドグロ

刻々旬々・能登の美味しい魚介[秋]

「白身のトロ」とも呼ばれる高級魚

ノドグロ

プロテニスプレーヤーの錦織圭さんが
インタビューで食べたいものとして答えた「ノドグロ」。
近年はテレビや雑誌でも紹介され、
その名を広く知られる様になりましたが、
標準和名は「アカムツ」と言います。
ムツによく似た姿に真っ赤な身体で、口の中は真っ黒。
どちらの名前もその姿をよく表していますね。
そんな外見に対して身は真っ白。
脂のりが抜群で「白身のトロ」ともよばれています。
今回はそんな「ノドグロ」についてご紹介します。

名前の由来

テレビや雑誌などでも「ノドグロ」として紹介される高級魚ですが、標準和名では「赤鯥」と呼ばれる魚。体の色が赤いムツだからこう呼ばれるわけですが、そういえば「ムツ」という名前にはどんな意味があるのでしょう。
 皆さんはムツとつく魚が何種類か存在しているのをご存知でしょうか?今回取り上げるスズキ科のアカムツにムツ科のムツとクロムツ、クロタチカマス科のバラムツ、アブラソコムツ。店先で加工品としてよく見かけるメロ(マジェランアイナメ)という魚も、2003年にJAS法が改訂されるまでは「銀ムツ」という名前で売られていました。どれも属する科が違う魚で親戚でもなんでもないのですが、共通していることが一つあります。
 それは白身の魚で、身に脂が多いこと。アカムツもムツもクロムツも、それからメロもたっぷりとのった脂が美味しさの元です。バラムツやアブラソコムツに至っては人や動物が消化できない種類の脂(というより蝋のようなもの)がたくさん含まれているため、厚生労働省から販売することが禁止されています。自分で釣って食べるのは禁止されていないため、食べてみる好奇心旺盛な人もいるようです。味は美味しいとのことですが、たくさん食べると便意や腹痛のあるなしにかかわらずお尻から油が垂れ流しになるそうで…。
 それはさておき。ムツという名前は、一般には脂が多いことを表す「むつこい」という四国地方の方言が由来とされています。
 ところが方言のせいでしょうか、いくら調べても「むつこい」という言葉の語源がわかりません。「むっちり」とか「むちむち」といった言葉と同じ系統なのかとも思いますが、確証が持てないのでどなたかご存知であればお教え願いたいものです。
 また、ムツは漢字で書くと「鯥」。もともとは牛のような体に蛇の尾と翼を持った中国の伝説上の怪物を表す字で、ここに取り上げるムツとは似ても似つきません。機転のきいた誰かがムツと「陸奥」をかけてこう記すようにしたのかもしれませんね。

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