ガスエビ

刻々旬々・能登の美味しい魚介[秋]

カスもザコも似合わない

ガスエビ

石川県ではクロザコエビとトゲザコエビの2種類が
ガスエビと呼ばれています。
ガスエビという呼び名は、
おそらく一部の地域で呼ばれていた
ガサエビの音韻(おんいん)が変化したものと思われます。
和名の「ザコ」に引っ張られてか、
「昔は甘エビなどと比べて価値が低い
〝カス〟だったから〝ガス〟エビなんだ」
なんてことを言う方もおられますが、
「か」の音韻が変化する特徴からすると
「カス」が「ガス」に変わるのは難しいので、
信憑性は低いでしょう。
もちろん、LPガスや天然ガスとは
何の関係もありません。

ガスエビの形態

クロザコエビとトゲザコエビはよく似ています。エビの仲間の特徴に、頭胸部(とうきょうぶ)から前に出る額角(がっかく)という部位があります。甘エビなどは額角が長く伸びているのですが、クロザコエビやトゲザコエビの額角は短く、ちょっとしたトゲくらいしかありません。そのため両目が並んで前に飛び出して、シャコのように見えます。

クロザコエビの方がトゲザコエビより大きくなりますが、はっきりと両種を見分けるポイントは腹節(ふくせつ)。一番後ろの第6腹節の後端(こうたん)がクロザコエビは丸いのに対し、トゲザコエビは尖っています。また、クロザコエビは腹節に茶色い帯のような模様が3本ありますが、トゲザコエビにはそれがなく、腹側が白く縁取られた腹節と側面に白いまだら模様がある頭胸部が特徴です。ガサガサして見た目が悪いとは言われますが、子供の頃の私にはガスエビがまるで小さい怪獣みたいで、とても素敵に見えたものでした。

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