石川県珠洲市は日本唯一の珪藻土切出コンロの産地です。
珪藻土を切り出したノミの跡は芸術とも言える模様を創り出しています。
一見の価値あり!

職人が、ひとつひとつ切り出していく

サクサクという軽快な音が響く。洞窟のような坑道の奥深くから聞こえる、珪藻土を切り出す音である。日本唯一の珪藻土切出コンロの産地、珠洲。珪藻土とは、藻の一種である植物プランクトンの遺骸が、長年にわたり堆積され化石化した土である。ここ珠洲市は、地中に埋蔵されている珪藻土の量が日本一なのだ。珪藻土の切出コンロは、まず原料となる「珪藻土」を採掘することから始まる。数十年もの経験をもつ熟練の職人が細長いノミを巧みに扱い、形成するコンロの大きさの塊に無駄なく切り出す。忍耐と根気のいる作業である。

500mにも及ぶ長い坑道から運び出された珪藻土ブロックは、熟練の職人によりそれぞれの形に一つずつ丹精込めて削り形成される。切り出しから形成、2昼夜にわたる窯焼きを経て磨きに入るという工程で作られ、それぞれの工程の職人により作業が行われる。少しの気のゆるみも許されない、気力と体力が勝負の仕事だ。こうして丹精こめて作られた珪藻土の切出コンロは、長年蓄積されてきた珪藻土特有の組織をいかしたまま焼き上げるため、一般に出回る練りのコンロに比べ軽量でひび割れしにくくとても頑丈。

切り出した塊を、加工していく
窯で2日間かけて焼き上げたコンロ

断熱性にも優れており、少量の燃料でもよく燃焼する。またコンロの外側が熱くならないため、安心して使用できる。さらに火力が強く、強力な遠・近赤外線を放出。炭火の赤外線と相乗効果が相まって食材をこんがりと、より一層おいしく焼き上げるのだ。なお、役目を終えて廃棄する場合も、金具を外せば後は土に帰る。また焼いた珪藻土は細かく砕けば、土壌改良材としても使えるという。機能性や環境にも優れた珠洲の珪藻土切出コンロ。全てが手作業であるため量産はできない、希少な逸品である。