栽培のこだわり

能登白ねぎには統一した栽培方針や出荷規格がありますが、同じ能登地域でも場所により雨風や寒暖差など自然の影響も考え工夫し、丹精込めて栽培管理を行っています。
今回は中能登地区で「能登白ねぎ」を栽培している、生産者の長屋正統さんにお話しを伺いました。

種から育てる農家もありますが、長屋さんの畑ではJAで管理育成した苗を仕入れて春に植えます。
土壌には七尾市岩屋地区の柔らかい土を使い、丹念に土寄せ(※3)をして育てます。
風が強い地域のため、能登白ねぎが倒れたり曲がらないように紐を張り、まっすぐに育てる工夫をしています。

※3.土寄せとは、野菜の生長に合わせて



株元に土を寄せ集めること

能登白ねぎ

育成にあたって有機肥料を使い化学肥料の使用を削減し、農薬の散布回数を減らすなど環境に配慮した栽培方法を行なっているため、能登白ねぎは「エコ農産物(※4)」として石川県から認定されています。

※4.石川県エコ農産物(https://www.pref.ishikawa.lg.jp/nousan/eco/hyoujiseido.html

能登白ねぎ

ネギ類は獣害とは無縁ですが、害虫の影響や病気になることがあるので、他の白ねぎに広がらないように見つけ次第すぐに対策をします。

温暖化や異常気象の影響などもありますが、生命力が強い白ねぎは葉にミネラルを豊富に蓄えているので、雨が降らない日照りが続いても育つという長所を持っています。

能登白ねぎ畑

収穫時は、葉の青い部分が濃い緑になり、根張りが良いと細い白い根が土からはみ出るほどになります。
びっしり生えている状態が理想だと言います。

能登白ねぎは専用の機械を使い、折れないように丁寧な運転で収穫を行います。この時点で白ねぎ選別が始まります。

能登白ねぎ収穫
能登白ねぎ収穫

白ねぎを傷めないように専用のネットで包み選別施設へ運搬されます。そこで不要な葉が剥かれ出荷規格に合わせて調整作業をしてから、市場に出回ります。

収穫した後の畑では緑肥(※5)を育て、それを肥料に土を作り翌年の能登白ねぎを栽培するために準備をします。
長屋さんは本来もっている白ねぎの良さを引き出しつつ、環境に合わせた栽培を心がけることを大事にしているそうです。

※5.緑肥(りょくひ)とは、新鮮な緑色の植物そのものを

土壌にすき込み使用する肥料のこと。