アカモクの形態
アカモクは浅い海底の岩に、平たく枝分かれした仮根(かこん)と呼ばれるものでくっついて生えています。
この仮根は植物の根のようなもので、岩にくっつく役割から付着器とも呼ばれます。仮根には植物の根にある栄養や水分を運ぶ組織がないのですが、同じように植物の体を固定することからこう呼ばれています。
その仮根から縦にしわのような溝が入った円柱状の茎が一本生え、その茎からあちこちへ枝や葉を伸ばし、笹の葉のような形をした細長い葉の真ん中には、はっきりとした太い葉脈(ようみゃく)があり、それを中肋(ちゅうろく)と呼びます。
葉の縁はギザギザとした形で、真ん中の中肋に届くほど深い切れ込みになることもあります。
ホンダワラ科の海藻は、気胞と呼ばれる浮き袋のような組織を持つことが特徴で、この気胞の浮力を使うことでホンダワラ科の海藻は海中に立ち上がり、成長に必要な日光をたくさん浴びることができます。
流れ藻となって海を漂うのもこの気胞のせいです。
ちなみに気胞の形はホンダワラ科の海藻の種類によって異なり、アカモクの気胞は細い円柱状。気胞の先端には冠葉(かんよう)と呼ばれる葉と同じ形の突起があります。
アカモクの漁
アカモクは北海道の東部を除く、海でも比較的浅い場所に生息しています。
石川県の七尾湾では、冬にアカモク漁が行われます。海面にたなびくアカモクの先端を、専用の長い鎌のようなものを使い、船の上から漁師が手作業で手繰り寄せ刈り取ります。