カレイの産卵

種類の多いカレイですが、その産卵期も、生息場所や種類によって異なります。多くのカレイ類が浮性卵を産む中で、全国的にブランド魚として有名な大分県の別府湾で獲れる「城下(しろした)カレイ」ことマコガレイは、例外的な産卵をします。塊(かたまり)になった沈性粘着卵(ちんせいねんちゃくらん)を水底に産みつけるのです。この産卵期は12月〜2月の間。水深40メートル位までの砂泥底で、産卵と放精を繰り返します。

卵は直径が0.8mm前後の球形。胞卵数は、体長が20cmのもので15万〜30万粒。30cmのものでおよそ70万粒、40cmのものでは160万粒という記録があります。孵化にかかる日数は水温が高ければ高いほど短く、4〜6度で17〜24日、10〜17度では5日ほどと考えられます。

潜むカレイと泳ぐカレイ

また、孵化したばかりの幼魚は全長2mm位の細長い体をしていて浮遊生活を送ります。動物プランクトンを盛んに食べて成長し、全長9mm位から片眼の移動が始まり、13mm前後で完了すると、体を横たえ、底性生活へ入ります。もちろん両眼のある側を上にして。ここでようやく私たちの知っている姿になるわけです。さらに、体色も眼のある側が暗色、眼のない側が白色へと変わっていきます。

そして一般的に、メスのほうがオスよりも成長が早く、大きくなります。1年で11〜12cm、2年で17〜18cm、3年で20〜23cmになり成熟します。30cmに達するには、産まれてから6年ほどを要します。

カレイは個性的な外見をもつ長寿魚

カレイは、やはりなんといってもその珍しい造形が目を引く魚ですが、実は孵化したばかりの頃は、目が普通の魚と同様左右に分かれて付いており、体も平たくなく、ほかの魚と同じように泳いでいます。大きくなるにつれて目がだんだんと片側に移動していき、体が平たくなり、また浮き袋がなくなり海の底で生活する成体として徐々に変化してゆくのです。

ところで、日本で一般的にカレイといえば、「マコガレイ」「マガレイ」「メイタガレイ」のように小さい口をもつものを指すことが多いのですが、カレイには「オヒョウ」や「カラスガレイ」といった、大きい口をもつものもいます。また、カレイ類の寿命は一般的に長く、ヨーロッパ産の一種である「プレイス」で50年、「オヒョウ」で40年間生きたという記録があります。

カレイの生態

カレイの回遊

カレイは北海道から九州まで、多くの種類が広く分布しているので、地方によって同じ種類のカレイでも呼び名が変わることがあり、また、種類によって味も旬も異なります。私たちが知っている一般的なカレイは海底に生息するので回遊移動の範囲は比較的狭いのですが、なかには、ソウハチなど、群れで中層を回遊して小魚などを捕食するフィッシュイーターと言われる種類もいます。

石川県で主に漁獲されるのは、「アカガレイ」「マガレイ」「ムシガレイ」「ヤナギムシガレイ」「マコガレイ」「ソウハチ」「ヒレグロ」などです。特にアカガレイは、山陰・北陸地方においてはズワイガ二・ハタハタなどと並ぶ底引き網漁業の主要な対象魚であり、年間約3000tが漁獲されています。能登半島周辺の海域には、雄雌ともに未成魚が多く分布し、雌では30cm以上の大型のものはほとんど見られませんでした。一方若狭湾周辺では、未成魚とともに成魚もたくさん分布しており、雌の30cmを超えるものも多く出現しました。また兵庫県沖では、採集個体に占める大型個体の割合が高くなっていることから、成長・成熟にともない西方へ移動することが想定されています。

そして石川県では、マガレイを「くちぽそ」、ムシガレイを「すがれい」、ヤナギムシガレイを「ささがれい」、ソウハチを「あわて」、ヒレグロを「なめたがれい」と呼んでいます。しかし北海道では、「なめたがれい」というと種類の異なるババガレイのことになります。

カレイの仲間一覧