刻々旬々・能登の美味しい魚介[秋]

旬の到来を告げる

サンマ

秋の到来を告げる代表的な魚といえば「サンマ」。
食卓に馴染みの深い庶民の魚で、
脂の乗りがうまさの決め手。
日本国内で自給率が高く、
冷凍技術の発達により
旬といわれる秋以外でも
店頭で見かけることがあります。
今回は、そんな旬を告げる
「サンマ」の魅力をご紹介します。

スマホ等の場合はピンチアウトしてご覧ください。

サンマの歴史

サンマは、秋の代表的な魚として親しまれていますが、江戸時代初期ごろには下等魚とされ、食用よりもっぱら脂を取り灯油の原料とされていました。庶民の味として定着してきたのは、江戸時代後期になってから。江戸地方に沖合性のサンマを漁獲する漁法が伝わってから、大量に漁獲されるようになり庶民の味として広まったといわれています。

下等な魚とされていたサンマが意外にもうまかったという様子は、落語の「目黒のサンマ」の一席にもあります。大筋は、時の将軍家光が鷹狩りの帰途に目黒の茶屋で食事を所望したところ、屋主は突然のことで食材が無く、仕方なく自分の夕食用のサンマを焼いて献上しました。その味がいたく気に入った家光は、後日、館で同じメニューを作るよう命じるが、出されたサンマは目黒の茶屋で食べたものとは比べものにならないほどまずく、やっぱり「サンマは目黒に限る」というオチがつくというものです。

当時は、サンマと同じようにマグロやイワシも脂っこい魚として下等視されていました。昔は紀州沖合が主な漁場でしたが、戦後発達した棒受網が広く用いられるようになってからは漁場が変わり、現在では北海道東から三陸沖が主な漁場となっています。