刻々旬々・能登の美味しい魚介[春]

小さくても一人前

イサザ

石川県での"いさざ"の旬は春。
産地である穴水町(あなみずまち)では
毎年3月中旬から4月中旬にかけて
「いさざまつり」が行われます。
町内の加盟飲食店では
いさざづくしのコース料理が味わえます。
とても弱くすぐ死んでしまう魚で、
また死ぬと風味がひどく落ちてしまうことから、
かつては産地だけで食べられていましたが、
活魚で輸送する方法が開発された今では
東京などにも出荷されるようになりました。
ただ、獲られる量が少ないので
高級食材として扱われています。

イサザの生態

シロウオが属するハゼ科の魚の多くは川や海の底に棲(す)んでいますが、シロウオは岸にほど近く海藻が茂る静かな藻場(もば)に棲んでいます。流れの弱い中層を群れで泳ぎながら、体の割に大きな口で動物プランクトンを食べます。成熟したシロウオは川をさかのぼり産卵するのですが、この頃になるとシロウオの体は川での生活に適したものに変わっていきます。海にいる頃は表皮が薄いのですが、川をさかのぼる直前になると表皮はその10倍ほどの厚さになり、さらに粘液を作る細胞が体の表面ほぼすべてを覆います。