カレイの名前はどこからきたのか

カレイ

概して魚の名前の由来はたくさんあっておもしろいもの。カレイという名前の語源にも、さまざまないわれがあります。

まず、朝鮮半島近海に多い、扁平(へんぺい)な体型をもつ魚である「エイ」に似ていて、エイよりおいしい魚を表した「韓エイ(カラエイ)」が転じたものという説。(「韓」とは朝鮮のことで、上等品の意味もあったそうです)また、やせたエイの意から「枯れエイ」になったという説。

「鰈」という漢字に関しては、蝶のように薄い体側を表してこの字がついたといわれます。また、高名な江戸時代の学者貝原益軒(かいばらえきけん)は、カレイが普通の魚の半分(片割れ)に見えるということで、「片割れ魚」が転じてカレイとなったという説を唱えました。中国の故事にも、この「片割れ魚」と似たような話が残っています。

カレイの栄養を知る

力レイの白身は非常に美味で、昔から重宝されてきました。その身は、刺身、煮付け、焼き物、揚げ物などさまざまに調理されます。また、産卵前の時期のメスは大きな卵巣をもっているために子持ちガレイと呼ばれ、甘辛く煮付けたものが日本の冬の味覚として好まれています。

淡白なカレイの白身は消化がよく、肉質に脂肪が少ないために低カロリーで身が柔らかいので、病人食や離乳食にも最適です。タウリンの含有量も多いので、動脈硬化の予防や血圧の正常化、コレステロール値の低下、血糖値の上昇抑制などに効果的。また白身魚としては、ビタミンB1やDも比較的多く含みます。

また、「夏座敷とカレイは縁側がよい」ということわざがあるのをご存知でしょうか?これは、暑い夏には  奥の座敷より風が通る「縁側」がよい、カレイを食べるなら「縁側」の部分がおいしい、という意味です。

カレイの縁側とは、上下のひれの付け根に並ぶ骨の間にはさまった身の部分を指します。ここは、脂肪がよくのって身がプリプリとしており、刺身にすると弾力ある歯ごたえを楽しめ、煮て食べるとコクのある味わいで非常に美味。「カレイのかくし味」とまで言われるほどです。そしてこの縁側には、美肌に効果的とされるコラーゲンが多く含まれているので、女性の美容食としても最適です。また、カレイやヒラメを煮て、冷ましてできるのが煮こごりですが、これは実は、コラーゲンが熱で溶けてできたものです。

おいしいカレイを選ぶポイント

栄養たっぷりのカレイは、比較的高級な魚です。そこで、おいしいカレイの見分け方をご紹介します。

①肉厚のもの。②丸のままの場合は、体表の模様がはっきりしているもの。③表面にぬめりがあり、腹側が白く締まって排泄口が開いていないもの。④身に弾カがあるもの。⑤切り身の場合は、切り口の骨の周りから血液がにじみでていないもの、など。お店でカレイを選ぶときは、ぜひ以上の点に気をつけてお選びください。

捌かれるカレイ