サザエの形態

ツノは管状突起(かんじょうとっき)と呼ばれるもので、よく見るとクレープをたたんだような形をしています。握りこぶしのような形をした殻は分厚くて硬く、ずっしりとした重さがあります。殻は6層ほどになり、高さは大きいもので15㎝ほどになります。

サザエといえば殻にたくさんのツノを持つイメージがありますが、ツノのないサザエもよくいます。瀬戸内海のような内湾で獲られるもののほとんどにはツノがないそうです。関東では派手で見栄えのするツノあり、関西では邪魔にならず運べるツノなしに人気があるそうですが、どの地域でも見慣れた姿に馴染みがあるといった感じなのでしょう。そういえば、しばらくツノのある・なしで学名が分けられていたこともありましたが、現在では同じ種類とされています。

ツノのないサザエ

さて、このツノあり・ツノなしの違いは何でしょうか。波が荒く潮が速い場所で育つサザエは流されないようにツノが大きく発達し、波が穏やかな場所に棲むものはツノがなくなると昔からよく言われてきました。だとしたら、それぞれの場所にはどちらか一方のものしか棲んでいなくてはおかしいのですが、調べてみると、どちらにもツノあり・ツノなし両方のサザエが棲んでいます。そのため、近年の研究では棲んでいる場所の影響に加えて、遺伝によってツノのある・なしが決まるのではないかと考えられています。

そういえば「ツノがある方が荒波に揉まれているので身が引き締まっていて美味しい」と言われることもありますが、個人的には味に変わりはないように思いますけどね。ちなみに、サザエのツノのある・なしは雌雄の区別には全く関係なく、殻から身を取り出すまで性別はわかりません。取り出した身の端、いわゆる「しっぽ」といわれる部分の色の白いものが雄、暗緑色をしているものが雌です。

ツノのほかに目立つ特徴といえば、白くて分厚いフタです。殻と同じようにとても頑丈で、サザエには悪いのですが中身を取り出すときにとても邪魔。食べるほうからすると、ここまでやらなくてもいいんじゃないのと思わなくもないですが、敵から身を守るために必要なのでしょう。このフタにある渦巻きは、サザエが成長してきた証です。真ん中から始まり、殻が成長するのにあわせて螺旋状に広がっていくのがわかります。

サザエの生態

海中の浅い岩場に棲んでいて、岩の下や岩礁の裂け目、海藻の根元などに多くいます。夜行性のために日中はじっとしていて、日が沈むと活発に動きまわります。ただ、動きまわるとはいってもサザエが動く速さは1時間に60㎝ほどで、ゆっくりとしたものです。

寿命はおよそ7〜8年。初夏から初秋にかけて産卵を行い、290万粒ほどの卵を抱えることもあります。緑色の卵の直径は0.2〜0.3㎜ほどで、孵化すると1〜3日間、海中を漂いながら成長します。

殻の長さが0.3㎜くらいになると、水深1〜10mの海底で石に着いている藻などを食べるようになります。成長したサザエはワカメやアラメ、カジメ、ホンダワラといった海藻をよく食べており、テングサや石灰藻などもエサにしています。また、殻の色はエサにする海藻によって変わるそうで、かつてテレビ番組で行われた実験では2週間ごとにエサを変えることでサザエの殻を縞模様にしたことがあります。